
人生は選択の連続~理想の教員になるために~【早稲田大学 山下 真歩】
~ある出会いまでは、教員になると決意していた山下さん。一つの出会いから、何事も選択肢を知る大切さを知ったそうです。教員と企業への就職。どちらの道を選択するかは自分次第。挑戦し続ける大切さについてもお話していただきました。~
教員と社会人
教育実習に行って教員になりたい気持ちは強まりました。
自分が今まで想像していた教員の仕事と実際の仕事が良くも悪くも違うというのが見えて。
私の担当教科は数学なのですが、数学だけ教えられてもダメだなと実感しました。
社会に出る人を育てるにあたって、自分が社会に出ることが大事だなと思ったのが1つ。
それと、生徒がとても多様化してきているんですよね。色んな生徒がいるんです。
そう思うと、自分だけの価値観じゃ追いつかない。色んな情報があった方が生徒一人ひとりに対して、きちんと対応できるなと感じて。
「自分の知見を広げる」という意味でも、社会に出ようと思いましたし、出る必要があるなと思いました。
自分が受けてきた教育だけしか教えられないというのでは今の時代には追いつかない。
常に新しい情報に触れられる環境に飛び込もうと思い、社会に出ることを決断しました。

教員になろうと思ったきっかけ
中学2年生の時です。本当に単純なきっかけなのですが、廊下を歩いてたらめちゃめちゃカッコいい女性が歩いていて。
誰だろう?と思ったら体育の先生だったんですね。
その瞬間に、体育の教員になろう!と思いました(笑)。
その先生が、たまたま私が所属していたソフトボール部の高校チームのコーチで。
その先生のようになりたい!と、体育の教員を目指していましたね。
きっかけは本当にこれです(笑)。
でもそこから教員を目指すという意志は全く変わっていません。
色んな仕事を知って、揺らぐ時もあるのですが、必ず原点に戻ってきます。
なんでそんなに想いが変わらないかというと、中高6年間で自分自身が学校の先生に育ててもらったなという想いが強いのが1つ。
もう1つは、私、朝正門が開いてから、夜正門が閉まるまでずっと学校にいるような子だったんですね。
1日のほとんどを学校で過ごしてて。
そういうこともあって、自分を育ててくれた学校と先生方に何か恩返しをしたいという想いがあります。
自分が教員になることで、先生方を助けたい。幼稚園から高校まで一貫校だったので、母校に戻りたいという気持ちは強いですね。
今の自分を創ってくれたのは間違いなく母校なので。

数学に転換した理由
もともと小学校の頃から算数は好きで、高校受験の時に数学で学年で1番になれたんですね。
それが本当に嬉しくて。そこから数学がもっと好きになりました。
高1ぐらいになると、コサインやサインなどが出てきて、数学が得意な人と苦手な人が出てくるじゃないですか?
その時、なんでこんな楽しいことを苦手と思うんだろう?と疑問を持っていました。
高校2年生の時、新しい数学の先生がやってきて、その先生の授業が、数学そのものを教えるのではなくて、その単元が日常でどのように使われているかを教えてくれるものだったんですね。
私の友達で陸上部の子が、「それ意味わかんない」と言うと、陸上に例えて、理解しやすいように説明していました。
その先生を見て、こういう授業ができる先生になりたいな。と思って、数学の教員を目指すことにしました。
先生になりたいと思ったきっかけは単純でしたが、歳を重ねるごとに自分のなりたい理想の先生像が見えてきましたね。
色んなことを経験して、より明確になっていきました。
それこそ就活を通して、色んな企業や仕事を知って、自分が目指す理想の先生像を見つけるために必要な情報をたくさん得ました。
とても良い経験でしたね。

教員ではなく、企業に就職を決めたきっかけ
ある人に気づかされたのがきっかけです。
私は大学3年生の4月から就活を始めたのですが、就職するために始めたのではなく、教員になるため、日本の教育業界を知ろうと思って始めたんですね。
それこそ、塾の会社説明会など教育業界しか見ていませんでした。
そんな時、ある就活塾の説明会に行ったら、3年生の5月の時期は業界を絞らず、色んな業界を見たほうがいいと言われたんですね。
その時は、全く腑に落ちませんでした。
教員になるために、教育業界を見てるんだし、就職が目的じゃないし。って。
就活塾の説明会が終わったあと、その人に質問しに行きました。
「私は教員一本に絞っているのですが、それでも教育業界に絞っちゃいけないのですか?」
そしたら、その人が
「逆にあなたは、教育業界しか見てない先生と、色んな業界を見ていて知見がある先生、どちらが良い先生だと思いますか?」と言われて。
ハッとしましたね。もちろん後者です。
良い教員になるために、色んな業界を知る。
そこから、考えが変わりましたね。

色んな業界を見ていく中で、自分がより良い教員になるために、1度社会に出て組織の中で働くことは、自分の価値観を広げてくれるのは確かだし、多様な考え方を学ぶという意味でも必要だなと思いました。
そんな経験を通して思ったのは、教員になるとか、何の業界に入るとかはあまり関係なくて、とにかく色んなことを知ることは大事だなということです。
自分が興味のないことも、もしかしたら新しい発見や出会いの誕生につながるかもしれない。
私もあの日、就活塾の説明会に行かなかったら、新しい考え方にならなかったし、最後勇気を振り絞って質問しに行かなかったら、昔の考え方は変わっていなかったと思います。
その瞬間は、それが自分のためになるかわからなくても、いつか絶対プラスになる。
経験が多い人ほど、その後の経験に活かせる。
沢山の行動を通して、色んな人と出逢い、色んな感情を経験することを大切にしています。

今の就職先を決めた理由
自分のゴールはあくまでも教員。
そこから逆算して、選びましたね。
コンサル企業からも内定をいただいていたのですが、教育業界の企業に決めました。
先ほどもお話しした通り、私は14年間で1つの学校しか経験していません。
私が知らない、公立の学校や地方の学校をもっと知る必要があるなと思って。
そういったものを知れる環境があったのと、企業理念に強く共鳴し、決断しました。
教員のサポートもしているので、とても自分がやりたいこととマッチしていて、面接でも「私、140社ほど見たのですが、ここしかないです。」と言い切りましたもん(笑)。
リソースも多いので、存分に活用させて頂き、最新の情報を得ながら、新しい発見・情報を得ていきたいです。
教員に戻るタイミングは、こればかりは分からないというのが本音ですね。
ただ、明確なビジョンはあるのでしっかり成し遂げていきたいと思います。

天才とは99%の努力と1%のひらめきである
好きな言葉はありすぎるのですが(笑)。
1番好きな言葉はエジソンの、
「天才とは99%の努力と1%のひらめきである」という言葉ですね。
これは高校生の時に出会って。
私自身が、最初からなんでもできるような子ではなくて、いつも努力をしてきました。
努力を重ねた結果、高校を首席で卒業したり、周りはほとんど経験者の中、未経験から始めたソフトボールも高校3年生の時に、東京選抜や全国大会に出場できたり。
これは間違いなく努力で掴んだ結果です。
天才と秀才という言葉があるじゃないですか?
私は最終的に1番強いのは、秀才だと思ってます。
人はどんな時からでも、努力次第でどこまででも成長できる。
周りにいる天才に勝つために、99%の努力、常に努力をしてきました。
何歳になっても、どんな立場でも、どんな状況でも、「いま自分にできることをコツコツやっていれば、道は拓ける。」ということを忘れないでやっていきたいですね。
これは実体験から学んだことでもあるし、これからたくさんの人に伝えていきたいです。

挑戦し続けることが大事
これは教育実習の時、生徒に伝えてたことでもあるんですけど。
挑戦し続けることが大事だと思っています。
それが「できるか・できないか」ではなく、「やるか・やらないか」って良くあるじゃないですか?(笑)。
「やってもないのにできない」というのは意味が分からなくて、「まずやってみろよ!」と私は思います。
それでできなかったら、また考えればいい。
特に若いうちは、「まずやってみる」ことを大事にしてほしいですね。
私も周りからできないと言われたり、自分自身でも厳しいと思うことでも継続してやっていれば、できるようになったこともあります。
続けてきた人にしか見えない世界は必ずあると思います。
それを信じて、挑戦し続けてください。
私も挑戦し続けます。
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